風のソネット

蒼き草の海を あてなくかきわけ
流れる雲を追いかけたら 何が見えるだろう

はるか遠い空に この心かさねて
音も途絶えた時の中で 立ち尽くすままだよ

手のひらに花びらがヒラヒラと 風に吹かれ揺れて落ちる
胸の中むなしげに咲いている 薄紅色の花よ
悲しく震えてる ただ揺られてる

深い森の木々に 体をあずけて
風の唄へと耳澄ませば 涙頬つたうよ

いつか忘れていた 置き去りの記憶さえ
人影絶えたこの場所では 色褪せるままだよ

目の前には未来がユラユラと やがて夢はこぼれ落ちる
大空に羽広げ飛んでゆく 光の中の鳥よ
静かに遠ざかる いま消えてゆく

手のひらに花びらがヒラヒラと 風に吹かれ揺れて落ちる
胸の中むなしげに咲いている 薄紅色の花よ
悲しく震えてる ただ揺られてる 彼方で揺れている
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