やりなおしたいの

足音をひきずりながら ビルの谷間を
いつのまに この曲り角きていたのよ
あれはただ噂がもとの にがいもめごと
もう二度と逢えないなんて 私どうするの

夜に浮かんでる 公衆電話のボックス
ちょっぴり お酒に酔っているけど
ねえ やりなおしたいの
ねえ 私のせいなのね
ねえ 部屋に誰かいるの
ねえ ねえ 誰よ―――

あなたが余計離れてしまう
言葉がつまる そのたび

こんな時めそめそしたら 多分あなたは
さりげなく 受話器を置いてしまうでしょう
静けさをさえぎるように ぽつりぽつりと
つよがりのお芝居をして 私せいいっぱい

夜に沈みそう 公衆電話のボックス
あなたが声よりずっと遠くて
ねえ やりなおしたいの
ねえ あの日のことなのね
ねえ 誰がいてもいいの
ねえ ねえ あなた―――

かなしみのそば素通りをして
時間は朝へ 急ぐの
×