出世佐渡情話

お国訛(なま)りを嗤(わら)われて
なんど楽屋で泣いたやら
浮かぶふるさと あの山小川
飾る錦が男の誓い
今宵 血を吐く寒稽古(かんげいこ)

泣いて別れたあの人に
熱い想いを通わせて
島の娘の黒髪恋し
唄うおけさも米若ぶしに
乗せて出世の 佐渡情話

佐渡へ佐渡へと草木もなびく
佐渡は居よいか住みよいか
唄で知られた 佐渡ヶ島
寄せては返す浪の音
立つや鴎か群千鳥
浜の小岩に佇(たたず)んで
若き男女の語り合い

晴れの舞台に七彩(いろ)の
夢を呼ぶよな名調子
恋の四十九里 たらいの舟も
今は昔よ お光と吾作
涙 輝やく 金屏風(びょうぶ)
×