越前竹舞い

白山(はくさん)おろしの 風にのり
雪ふり虫がきたという
愛しい人の その胸に
私もすがって すがってみたかった
唇に触れもせぬ それも恋
躯だけ求めても それも恋
きしむ はじける 反(そ)りかえる
たたく 震える 波を打つ
障子あければ あゝいちめん 竹の海

命の終りが そこにある
あなたと生きていたいのに
はじめて握る 手のぬくみ
ようやく女に 女になれました
報われぬ愛ですが それも恋
心だけひとすじに 恋は恋
まだけ くれたけ はこねだけ
やだけ くろたけ おなごだけ
瞼とじれば あゝ越前 竹の舞い

きしむ はじける 反(そ)りかえる
たたく 震える 波を打つ
障子あければ あゝいちめん 竹の海
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