戸棚の虹

虹を見たら 元気が出て
いつもの自分に もどれた
青空の日も 雨の日も
気持の気圧は はかれずにいた

戸棚を開け 時を探し 心の落ち着くさき
決めたくても 捨てるための 余計なものにさわって

見つけたのは カビのはえた 赤いキノコがひとつ
もっと奥には 折れ曲がったパスタが一束 落ちてた

むらさきの夕陽が沈む
ちいさな窓を そっと閉める
ブルーのお湯に つかっても
気持の温度は わからずにいる

ある日 空に 虹がふたつ浮かんで すぐに消えて
心の中 ふたつあった気持に 橋がかかり

戸棚を開け 虹をみつけ いらないものを捨てて
窓の外へ 七色した 小鳥が一羽飛んでゆく

虹は 空と戸棚の中
ちいさな窓辺で ほほえむ
青空の日は楽しくて
雨の日は 暗い気持ちでいい

虹を見たら 元気が出て
いつもの自分に 戻れた
青空の日は 楽しくて
雨の日は 暗い気持ちでいい
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