夜にはつぐみの口の中で

夜には つぐみの 口の中で
秋なら 窪地の 影で過ごす

ひとり そっと 夢を降りるとき
籠に 貝殻を
しまう 手には 砂の指輪つけ
祝う人もない

共に見た 夜を
幾度も重ねては
百年かけても 何も見えない

道を塞ぐ 枯れた鳥の巣に
水と火を放ち
こんなことは一度だけでいい
罪を犯すのは

今 何を見ても
何かを思い出す
百年かけても 忘れはしない

愛なら かもめの足にはめて
冬には 崖の上で 凍えて

あなたは青の石を 手に持って
春には 飛ぶよと 堕ちてゆくよ

私は赤の石を 手に取って
夏まで 飛ばぬと 堕ちてゆくよ
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