縞の合羽に三度笠

峠7里の 夕焼け空を
縞の合羽に 三度笠
親が恋しゅうて 泣きたい時は
長脇差(ドス)を抜きたくなるんだぜ
「チェッ 調子がでねぇや」
バカはお止しと 言うように
白い蝶々が 手に止まる

独(ひと)り咲いてる 紅山百合(やまゆり)に
足が止まるよ 三度笠
聞いてくれるか 身の上話
野暮な男の 故郷(くに)の歌
「チェッ しけてやがらア」
月が出そうな あの山に
雨をはらんだ 雲が飛ぶ

何処(どこ)で終わるか 浮世の旅を
縞の合羽に 三度笠
恨みつらみは さらりと捨てて
明日の命を さいころに
「ヘン 一寸先ア闇だ!」
泣くも笑うも 旅の空
義理も人情も 風任せ
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