夢あかり

蛇の目傘から こぼれる雨が
肩につめたい 裏通り
そっと私の 背中をつつむ
好きなあなたの ぬくもりが
女ごころに ほろりと沁みて
明日が見えそな 港は夢あかり

北の桟橋 吹き切る風に
啼いて群れとぶ かもめ鳥
海が塒(ねぐら)の さすらい暮らし
船に乗るしか 能がない
こんな男で おまえがよけりゃ
ついて来いよと グラスを傾ける

胸にしまった 悲しみさえも
溶けて静かに 消えてゆく
これが二人の 縁(えにし)でしょうか
今はあなたが 側にいる
きっと変わらぬ このしあわせを
窓に映した 十六夜(いざよい)夢あかり
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