志摩の夕波

誰を探して 啼く浜千鳥
啼けばなおさら 孤独(ひとり)がしみる
きっと戻ると 約束の
温(ぬく)みが残る この小指…
志摩の夕波 届けておくれ
待てばなお増す 恋ごころ

浦(うみ)に寄り添う 夫婦の岩に
今日も重ねる ふたりの姿
胸にともった 漁り火が
許した夜を 恋しがる…
志摩の夕波 届けておくれ
語り明かした 夢つづり

咲いて哀しい 女の春を
潮風(かぜ)よ散らすな また逢う日まで
遠く沖ゆく かよい船
あのひと乗せて 帰ってよ
志摩の夕波 届けておくれ
未練つなぎの 涙つぶ
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