雨とギター

夏の雨に濡れた君の横顔がぽつりとつぶやく
“仕方ないことさ…”
遠くの空照らす雷鳴
泣きじゃくる私の肩ごと飲み込んで行った

どうしてなの?
叫ぶ声は 小さすぎて

びしょ濡れのスコア
置いて行かないでと
あの日のメロディ 胸を叩く
それぞれの夢を奏でて いつの日か また会う
そう信じて 五線譜を閉じた

夏の日射し消えて冷えたアスファルト
ごろりと寝転ぶ君とギター 見てた
-もうここには来ない-
そんな気がしたから 強く心のアルバムに焼いた

わかってるよ
ここもたぶん通過点だと

しわくちゃのスコア
落書きで汚れて
「好きだよ」の文字 見えなくなる
最後の音符はまだ弾かないで
もう 会えなくなりそうで 破いて捨てた

さよならしよう
それはきっと君の優しさ

書きかけのスコア
落ち着きない文字がそのまま君で愛しかった
それぞれの道を歩いて来たからこそ 出逢えた
そのメロディ 五線譜にしたためて 奏でよう

君の指先で雨のように続く リフレイン
明日を歌って coda繰り返す時の中で
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