三年目

久しぶりに噂聞いた
胸にゆらり風吹いた
軽く笑い、交わすくせが
身についた三年目

寄せる波に負けないよう
いつかあなたを超えるよう
息もつかず走ってきた
止まるのがこわかった

今はもう私の名前
呼ぶ声も忘れたけれど
あの春に積もってた哀しみは
陽だまりに形を変えたよ

これが最後の恋だね、と
二人最後の嘘ついた
守らなくていい約束
そっと揺れる三年目

きっとまた誰かのことを
身を焦がし愛するでしょう
この心縛ってた哀しみを
ほどいても叱らないよね

今はもうあなたの名前
呼ぶことも出来ないけれど
あの春に舞い降りた哀しみは
歩き出す私をくれたよ

偶然にすれ違っても
私はもう泣かないでしょう
あの春に積もってた哀しみは
陽だまりに形を変えたよ

届かないところに眠るよ
永遠に心に眠るよ
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