ほおずき

思いやりたいことがある

‥あの日、通り雨が降っていた。

あたしをいつも気遣った思いが、
あたしにも持てたなら

ママがそっと
庭に広げてくれた簡易のプールで
あの子と喧嘩して
泣いたカラスが笑って
手をつないで
朝顔色にハンカチ染めてた
遠い日々

悔やみきれないこともある
だけど
あたしはまだほおずきを欲しがる
子どもみたいに
手を伸ばし
気づけば壊れてしまっていた。

思いもかけずに、あなた
無邪気に見せつけるすべてで
次は誰の頬ふくらませるの

はじけそうな痛み
切ない優しさ
破れないようにしたいけど

大好きになるのは簡単だな

悩むことすら明るくて
ずぶ濡れになったら
駆け出した。

思いやりたいことばかり!

素直になればなるほど
あなたへの馬鹿げた自分のずるさ、気づいては
“ごっこ遊び”するのは
もうやめたんだ。

‥今も、通り雨に 濡れている
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