二人乗り

君を後ろに乗せ 自転車で
晴れた日には海へ出かけたね
いったいいくつまでなら 二人乗りをしても
みっともなくないのって 君が笑った
この前 ふと気まぐれに自転車を買いかえたよ
潮風で錆びついてたし
後ろに 君を乗せることなら もう なくなったし
あの坂は 息が切れたし

君を後ろに乗せ 海沿いを
夏の風と並び 走ったね
いったいいくつまでなら お互いの生き方
合わせられるんだろうって 遠くを見てた
今年も またツバメたちが軒下 ヒナを産んで
にぎやかに巣立っていったよ
それから雨があがり また新しい夏が窓を吹き抜けて
本をめくった

この前 ふと気まぐれに自転車を買いかえたよ
潮風で錆びついてたし
後ろに 君を乗せることなら もう もうないけど
晴れた日は 海を走るよ
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