海猫

あれは十五歳(じゅうご)の 夏だった
海猫ばかりが 泣いていた

あれは岬に 立っていた
死んでもいいよと 思ってた

あれから何年 都会の隅で
逃げだしたかった ふるさとに

恋しいね… 会いたいね…
心よ…心よ… 花いちもんめ
泣くことなんか もう疲れたくせに

あれは十九歳(じゅうく)の 春だった
遅い桜が 咲いていた

あれは切符を にぎってた
上りの列車を 待っていた

あれから何度も 都会に負けて
帰ろうと思った あの駅舎(えき)に

恋しいね… 会いたいね…
心よ…心よ… 花いちもんめ
泣くことなんか もう忘れたくせに

恋しいね… 会いたいね…
心よ…心よ… 花いちもんめ
泣くことなんか もう疲れたくせに
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