愛しい男よ

海鳴り間近な 最果(さいは)ての駅
霧雨がほほ濡らす 心も濡れる
私は過去を忘れ 名前も捨てて
あなたの胸で 泣きじゃくる
命ごと 抱きしめて…
愛しい男(ひと)よ

北へと飛び立つ 白鳥さえも
さよならのひと声を 残すのでしょう
二人の明日(あす)は遠く 果てないけれど
振り向くことは できないわ
この愛を つらぬいて…
愛しい男よ

静寂(しじま)を裂くよに 汽笛が響き
密(ひそ)やかな旅立ちを 心で詫(わ)びる
あなたとともに生きる 私の運命(さだめ)
始発の汽車に あずけます
夢ひとつ たずさえて…
愛しい男よ
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