この街にひとり

はてしなく 蕎麦(そばむぎ)がゆれてた
死んだような あの午後のかなしさ
ふるさとには 未練もなく出てきた日
思い出すのよ
淋しさになれて 立ちどまれば
街のあかり
夢もなく 一日が終る
若ささえ うらめしくなる時
少し今 ふるさとが好きだわ

思いきり 声あげて叫んだ
風ばかりで 誰ひとり答えず
望みばかり 野原をよこぎった日が
なつかしいのよ
話し相手さえ いない夜更け
来ない便り
眠れずに 明日のこと思う
だけど まだこの街に住むけど
少し今 ふるさとが好きだわ
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