目の中の春

北国へあてて遅い春が
速達を出すらしい
インフレの街を後にして
絵の具箱ひろげに
私の心の風 いつもの風
どこかの軒先ぬけて
はるかな岬へ旅立つのよ
ただこの私は残るの
ただ窓辺にいるだけ

陽だまりが今日も馴れた指で
花時計まわしてる
目にあまるようなふしあわせ
さしあたりないのに
私のむなしい胸 ただよう胸
小舟の帆をあげながら
別れのワルツを今聞いているの
ただこの私は残るの
ただ窓辺にいるだけ
いつこの私は行けるのかしら
いつこの私は行けるのかしら
いつこの私は行けるのかしら
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