誰も教えてくれなかったこと

頬杖ついて 溜息をひとつ
完成間近の 泣き顔のロボット
固まりかけていた紙粘土
両手で崩してしまったよ
優しい目を向けないでと

無我夢中で走ってさえいたら
チョウチョ巻き上げた分だけ
風を起こせると思ってた
誰も教えてくれない
誰も教えてくれなかったこと

ふいにこの手を払われたことで
何かしてあげようと空回りしたよ
可愛そうだという慰めに似たもの
心の四隅に隠れていたかもしれない

あの時本に書いてあったことが
色鉛筆12色におさまらず色を欲しがった
誰も教えてくれない
誰も教えてくれなかったこと

無我夢中で走ってさえいたら
チョウチョ巻き上げた分だけ
風を起こせると思ってた
誰も教えてくれない
誰も教えてくれなかったこと

誰も教えてくれない
誰も教えないてくれたこと
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