水瓶の唄

運んでくれる乗り物と
不自由の無いお金さえあれば
どこへでも行けるだろう
その足を鍛えなくとも
百万冊の書物を読み
一日中テレビの前に居れば
どんな事でも知る事ができるだろう
その部屋に寝ころんだままで
だけど友よそれで それで自由になれたかい?
だけど友よそれで それで自由になれたかい?

同じ考えの人以外は
誰も側に寄せつけなければ
いさかいは無くなるだろう
心にくもりが あるままでも
違う言葉だとか 違うしぐさだとか
違う神を信じているとか
覚えてしまった やり方で
人は人を区別する
だけど友よそれで それで自由になれたかい?
拳を固く握りしめて
何も持たずに 生まれてきたのに

年老いる事も無く
つらい仕事も無ければ
涙流すことさえ知らず
ぼんやり暮らしてゆけただろうが
水瓶の中に欲しいだけの
水が満ちあふれていれば
奪い合う事も無いだろう
分かち合う心が無くても
だけど友よそれで それで自由になれたかい?
水瓶の中の 少しばかりの水を
分かち合って 生きよう

水瓶の中の 少しばかりの水を
分かち合って生きよう……

水瓶の中の 少しばかりの水を
分かち合って生きよう……

水瓶の中の 少しばかりの水を
分かち合って生きよう……
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