草枕

人の世の
夢にはぐれて 行きくれて
孤りつぐ酒 ひりひりと
やつれた胸に 傷口に
泣けよとばかりに しみわたる

振りむけば
咲かず終いの 恋いくつ
みれんほろほろ 盃に
おもかげ浮かべ のみほせば
やるせぬ想いよ とめどなく

歳月の
流れ行くまま 流れ去る
人の旅路の 儚さを
身にしみじみと 抱くとき
侘しや夜雨の 草枕
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