はじまりは朝

歯ブラシは白く乾いて
あの人が訪ねて来ない

子供を叱りつけるママになったような
不思議な気持ちであの人を愛したけど
すべて分かっていると自惚れていただけで
何も知らなかったあの人の心の中

コップを回して
カラカラ音をたてる朝

長すぎた愛の年月
過ぎ去ればほんの瞬(まばたき)

手紙を出してみたりまちぶせしてみたり
いわなくていい事口をついて出てゆく
どうにもならないって辛い悔しい悲しい
拾った分だけ失うものがあるのね

今は静かな
幸せ願う私なの

あの人いつまでも不良少年みたいに
きっとどこかで女の子困らせてる
ようやく私にも新しい人ができ
あの人の歯ブラシ屑篭へ捨てられそう

鍵をかけたら
靴音響かせ出掛けるわ
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