母娘じょんがら

雪の礫(つぶて)に 叩かれ追われ
ここは津軽の 十三湖(じゅうさんこ)
母が三味弾き 娘がうたう
流れじょんがら 口説節(くどきぶし)
いつか父(とと)さに 出会える日まで
苦労覚悟の ふたリ旅

数え七つで 門付(かどづ)け暮らし
何でしたかろ させたかろ
指のあかぎれ 痛みはせぬか
雪に素足は 冷たかろ
愛し我が子に こころで詫びりゃ
涙あふれる 五所川原(ごしょがわら)

闇に吹雪の 鳴る音聴(き)けば
肌が凍える 竜飛崎(たっぴざき)
早く父(とと)さの 顔みてみたい
泣いてむずがる 幼な子を
胸で叱って やさしく抱いて
生命(いのち)ぬくめる 宿あかリ
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