哀しみは火のように

ドアの前で別れた男の女 それは
どこにでもある一枚の絵の中のシーン
やさしいことば投げて 男は行く
大丈夫 心配しないでと小声で女がささやいた
嘘よ 今にもくずれかけている私
哀しい気持はいつしか甘い匂い連れて
空を焦がす炎に変る

バスにとび乗る男を遠くで見る そして
舗道の上に涙をひとつ落とす女
窓越しに手をふって 男は行く
大丈夫 心配しないでと夜空に女がささやいた
嘘よ こうして歩くことさえも やっと
哀しい気持はいつしか炎のまま凍る
嘘よ 今にもくずれかけている私
哀しい気持はいつしか甘い匂い連れて
空を焦がす炎
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