赤い月の伝説

砂のあらしが 通り過ぎた空に
遠く輝く 南十字星よ
椰子(ヤシ)の葉陰 そよぐ風は 夢の蜃気楼
夜の虹を 渡って来る 昔別れた旅人

今、悠久の 時を越えて
また めぐり逢うの…
赤い月よ この肌染め
一途な愛 かえしてよ

肩を抱かれて そっと瞳(め)をとじれば
何故にこんなに 胸がときめくのか
まほろばへと 続く河は 美しいものね
ふともらした 吐息にさえ 白くこぼれる睡蓮(すいれん)

今、悠久の 波に揺(ゆ)れて
また 睦(むつ)みあうの…
赤い月よ しじまの中
水先だけ 照らしてよ

今、悠久の 夜に溶けて
また 愛しあうの…
赤い月よ 砂漠の町
恵みの雨 降らせてよ

赤い月よ この肌染め
一途な愛 かえしてよ
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