蒼い夏

浜日傘 ゆらゆら
すらりとのびた 長い脚
蒼い夏が 駆けてゆく
ぼくは昼寝を口実に
泳げないのを幸いに
女の子って やっぱりいいな

裸の子 じゃぶじゃぶ
おちんちんさえかわいくて
蒼い夏が はしゃいでる
きみは夏みかん剥きながら
早く子供が欲しいなぁ
わざと言って 溜息ひとつ

孟蘭盆会(うらぼんえ)ちらちら
燈籠流し 水明り
蒼い夏に 祈りあり
いつか亡びる この海が
肌をじりじり こがすので
今夜きっと寝つかれぬでしょう

老夫婦 はらはら
すごした日々が朽(く)ちてゆく
蒼い夏に淋しさあり
ぼくは平凡な愛妻家
もうなにも考えまい
愛することのわずらわしささえ
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