春もよう

今宵咲き乱れる花々
過去の僕らを見守っていた

君の薫るすがたが
花びらのように空を舞う
薄れかけた想いが
糸のように繋がっていく

酔いざめの春もよう
ほのかに色づく季節
愛しさを問いかける
僕の心まで…

細い枝をいつしか広げ
つよく 揺るぎなく生きている

こみ上げてく気持ちに
静かに寄り添いいざなう
凛と立ったこの桜(き)は
迷い人の道しるべ

風走る春もよう
にわかに遠く舞い散る
光射す月の色
遥かなる彼方へ…

今もなお絶えることのない小さなつぼみに
人知れずやさしさを注ぎこめば
散りゆく花も艶やかに舞い その身を預けて

酔いざめの春もよう
ほのかに色づく季節
今もまだ問いかける
君の心まで…
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