優しさの跡

愛する 激しさだけで
その肉体(からだ)に 鎖つけた
気付いた時には 遅くて
優しささえ 跡形もない

都会の真夜中 どこへ消える
時間のゲームに疲れて お前は

呟(つぶや)けよ
終わらない 恋なんて
恋じゃないと…

出会いは 嵐のようで
明日には もう 逃げる気がした
抱き寄せたはずみで堕ちた夜
あの時から 幻だった

読みかけのミステリー 閉じるように
ざわめくこの胸 何故か けだるくて

諦めろ
終わらない 恋なんて
恋じゃないと…

“愛してる”とそれだけが
言えずにただ 苦しめたね
翳(かげ)りの女に 変われば
優しささえ 跡形もない
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