良生ちゃんとポプラ並木

春は細道ポプラ並木を
良生ちゃんと学校帰り
良生ちゃんは足が長く
僕はいつでも小走りだ
春のやさしい日差しを浴びて
ポプラ並木は 背伸び 背伸び

夏はかげろう ポプラ並木で
みんな集まりチャンバラごっこ
良生ちゃんは正義の味方
僕は悪役 切られ役
夏の日差しにかげろう揺れて
ポプラ並木は 背伸び 背伸び

秋は夕暮れ ポプラ並木の
長い影はアベック・コース
良生ちゃんは女連れで
僕は一人でいじけるばかり
秋は木枯らし凍えるように
ポプラ並木は 背伸び 背伸び

冬は初雪 ポプラ並木を
しばれた身体 丸めるように
良生ちゃんはスケート選手
僕は補欠のまた補欠
冬は一面銀世界
ポプラ並木は 背伸び 背伸び

あれからすでに 十年過ぎて
良生ちゃんは結婚をして
風の便りに聴いた話じゃ
男の子が生まれたそうだ

いつも僕らを見守るように
ポプラ並木は 背伸び 背伸び

いつも僕らを見守るように
ポプラ並木は 背伸び 背伸び
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