手品師の夜

思い出して こんな風も凍る寒い夜更け
わたしたち 寝静まる街を かけぬけた
星になっていたことを

激しく息を吐き ガードレールにもたれながら
みつめてた おたがいの目を
それだけが できることのすべてだと

見たくない 明日の朝 夢からさめて
笑ってる 話してる あなたを
わたし ずっとここにいる
ねえ あなたの目の中

名前のない夜に おびえていたあなた わたし
触れることで こわれるものがあることを
知ってたから 誰よりも

手品師の切り札は 出会う前から
ポケットにサヨナラのカードが
それじゃ最後 とびきりの
ねえ これがわたしのマジック

思い出して いつか思い出より
遠いあした
わたしたち 瞬間の中を かけぬける
星になっていたことを
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