友への手紙

おいお前! このごろ調子はどうだね
相変わらずあの娘(こ)と うまくやっているのかい
俺らと言えば 昔の恋人にも
そっぽむかれて 唄う歌はおきまりさ

おいお前! 弘明たちが 結婚するらしいな
あのころは 朝まで飲みあかすたびに
『女なんて!』とほざいてたあいつがね
さみしさ半分 俺らとまどうばかりさ

ふるさと離れて三年 さみしい街だよ東京
だけど 俺らみたいな へなちょこ野郎は
も少しここで もまれなければ

思えばこの街で もう三度目の冬さ
コンクリートの冷たさが 靴のかかとで響く
まるめた背中で 灯りをともしてみれば
お前の写真が 帰って来いと笑う

こんな毎日だけど 当分はここで暮すよ
相変わらず歌ばかり唄って行こうと思う
でもな たまには俺の事 想い出して
手紙のひとつでも 出しておくれよ

ふるさと離れて三年 さみしい街だよ東京
だけど 俺らみたいな へなちょこ野郎は
も少しここで もまれなければ
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