靴あと。~見上げた空、もっと広くて~

夕闇に背を向けて
石ころ遠く蹴とばす
信号待ちの向こう側
すれ違う君うつむいていた

もう少し僕が弱かったのなら
今より優しくなれたかな
もう少し僕が強かったのなら
目にうつる色は変わってたかな

振り向けば刻まれている
足跡はいつだってこっちを向いていて
歩んできた 迷いながらも
一歩ずつ 自分の足で

好き「だけど」手を離すことと
好き「だから」手を離すことは
一体どちらが重いだろう
どちらが正しく歯がゆいだろう

咲き誇る花を踏み潰しては
引っこ抜いて また 植え直す
立ち止まらなければ目に入らない
景色があるということを知った

あと何度つまずいて転び
膝を抱えるのかはわからないけれど
そのたび僕は地に手をつけて
立ち上がり 明日を拓く

道の先は 長いけど 見上げた空 もっと広くて

これからいくつの足跡が
共に同じ道筋 歩んでいくだろう
まだ見ぬ広い大地に 生きた証 刻んでいく

そして僕は想う。

振り返るたびに。

まだ頑張れるかもしれない。
×