山茶花

風車ただからからと 夕凪を待ち焦がれ
手を伸べた きみの名残は静かに壊れた

いつの間にはぐれたのあてどもないのに
ほろりほろり落ちる山茶花 伝えられぬ恋を隠して
満ちて欠けるお空の穴は 触れる事を叶えずに

砂時計 たださらさらと とめどなく時削り
泣き濡れて眠ったままに熱を持つまぶた

凛と咲く花の様に私を拒んで

ほろりほろり落ちる山茶花 何を悼み涙こぼすの
寄せて返す胸に細波 いつになれば止むのでしょう

すれ違ったあの娘春の匂いで
振り返るその横顔微笑んでいた

ほろりほろり落ちる山茶花 足の下に赤い絨毯
夢に通う道往く半ば融け出してく絵空事

ほろりほろり落ちる山茶花尽きた花弁空に浮かべて
巡り巡る季節の中でもいちどだけ逢いたくて
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