メモランダム

淋しさから 逃れたくて
日記をひらいてみるけど
なおさら 悲しくなるばかりよ
どのページを 読んでみても
あなたのにおいがするのね
メモランダム
まぼろしと消えた過去の足跡

鳥のようにはばたいて
あなたの青空を
飛んでいたのね あの頃は
翼もがれた あわれな小鳥は
今夜も呼んでいる あなた あなた

この日記を 指でちぎり
風の中に舞い散らせば
あなたの 影も散ってゆくでしょう
涙のあと 数えながら
にじんだインクをなぞれば
メモランダム
きこえてくる遠い過去の足音

夢の様なかがやきに
満ちていた場所から
どこへ行くだろう これからは
翼もがれた あわれな小鳥は
今夜も呼んでいる あなた あなた

翼もがれた あわれな小鳥は
今夜も呼んでいる あなた あなた
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