ひとつ

もっと遠くに行けば いつか見えてくるものかな
そっとまぶた閉じれば まだ傷はひとつ
さよならぼく
意味の溜め込みは終わり
いつも手探りの現実は袖口から逃げる

この広い世界でひとつだけみつけて
ぬりつぶす前の絵の具がついてない「きもち」を
この広い世界でひとつだけみせて スクリーンのように

もっと言葉があれば いつか伝えられたのかな
そっと耳ふさげば きっと聴こえてくる
さよならぼく
無条件の明日は終わり
朝に思い出したくないような自分はもう要らない

この広い世界でひとつだけみつけて
自分でも見えない そこにあるはずの「季節」を
この広い世界でひとつだけ消して 宝物ひとつ

偶然が溶けた魔法 そのなかで愚問だけは残るの

「自由は誓い」誰が気にするだろう
そのためはじきだす計算も小数点以下捨てる

この広い世界でひとつだけみつけて
すべてはいらない 誰かのためにある「記憶」も
この広い世界でひとつだけ消して 祈るようにひとつ
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