WINTER MIRAGE

この冬一番の
木枯らしに吹かれて
コートの襟を立ててみる
赤や緑色に彩られた通り
笑顔できらめいて

恋人たちと肩がぶつかる
私も、あなただけ見てたのね
Winter Mirage

浮かんでは消えゆく
真冬の残像
あの指先が、あの横顔が、あの腕が
よみがえる記憶は溜め息に煙り
泣き出しそうな街の夜空に
ふわり舞い上がる
ふわり舞い上がる

ふと呼び止められた
人波の、どこかで
慌てて振り向いたの
背中に隠したね…リボンの紙包み
キミはあなたじゃない

去年のことを懐かしそうに
話される度、涙こらえた
Winter Mirage

巻き戻る時間は
真冬の残像
その微笑みも、この感情も、なにもかも
触れたがる心に、いい聞かせている
手を延ばしてもすり抜けてゆく
これは幻影(まぼろし)、と
これは幻影(まぼろし)、と

ゆらり揺れる想い
気づかれませんように…どうか

「元気で」と手を振る
真冬の残像
歩き出すその背中は、少し大人びて
行く宛を失くして動けない肩に
凍る溜め息、白い天使が
ひらり舞い降りる
ひらり舞い降りる
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