想い出がかけぬけてゆく

久しぶりの友だちにあう
つもる話ふくらませてた
しゃれた洋服も
しゃれた靴さえもないけど
心ははしゃいだあの頃に

濡れた髪に風をあびて
街をいそぐ
想い出までかけぬけてゆく

笑い声が頭の中であふれてゆく
午後の街に

こみあうカフェテラスで
待ちあわせしてた
みんなきれいだわ
私だけ変われない

久しぶりの友だちだけど
かわす瞳胸が痛くて
せめてルージュでも
せめて持ってたら
すこしはましだと思えた私がいや

雲のすきま光がさした帰り道
ずっとずっとうしろに消えた
笑い声が夕陽の中でこぼれてゆく
午後の空に
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