埋葬の森の黄昏坂

病葉泥濘るむ地上は
つづく足跡 覆い隠して

斑に滴る月光
木々の隙間から僕を侵し
痛みばかり鏤めてゆく

あなたのもとへ飛び立てる
翼の無いことをよろこぼう
誰も苦しみと共に
出逢うことを
望みはしない

葬りたいのは絶望よりも
生まれた小さなひかり
穿たれゆく土の底に

あなたの眠り呼び覚ます
歌を知らぬことが仕合わせだ
人は死神と共に
在ることなど
忘れればいい

あなたもとへ飛び立てる
翼の無いことを哀しもう
そして蔓延った
根のように佇む

僕らは独り
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