ビート

大道芸人が 火を吹くのをやめたら
それは音楽が 一旦終わる合図
親友のコヨーテは もうバスに乗り込んで
明るくはしゃいで ワインこぼしてる

空きビンとブラジャーが 散乱している
フロアを確かめて 僕はギターをしまう
ニューヨークは大変な 事になってるって
誰かが小声で ヒソ ヒソ ヒソ

僕は2人がけの シートに横になる
そのまま目を閉じる ビートが聞こえる

こんな時間に 空がなぜだか
エンジに染まるのは いったいどうして
あの娘のレンズのグラデーションのせいかな
セルロイド ヒッピーの落し物だって

「この星はひとつだけ あなたはあなた一人
だから許せないの いろんなことが」

神は地球を ジャグリングの玉代わり
一度落としたら それで終わり終わり

天使が眠る街を バスは後にして
ゆっくりと動き出す ビートが聞こえる
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