バス停小町

春の足音に合わせて
僕から卒業していく君
数えきれない思い出は
「ありがとう」の花を咲かす

行かないで 言葉にはできなくて
胸の奥で願っているの 気がついて

つないだ手を離せば二人
もう戻れないって知ってる
君についた最後の嘘を
受け止めるには弱すぎて 涙色にバス 染まるの

目を閉じて走ってみても
同じ場所へとたどりつく
見なれた町の風景は
やけに寂しく胸をさす

空まわる気持ちがただ怖くて
またイジをはってしまう僕を許して

会いたいよ空を見上げて
大声で叫んでみる
遠ざかるバス君の背中は
隠した涙で震えた

どんな風に笑えばいいの?
手にした切符 僕は乗れない

忘れないよ 何年経っても
そばにいた笑顔たちも
バス停までの歩く道のり
行く先は二人違う

遠ざかる君とバス さよなら
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