娘たち

どこから漂ってくるのだろう
月下美人 不思議な花の香り

甘い香りに誘われて
河のせせらぎの中を
娘達が渡ってゆく 今日も一人一人一人

水は身体に まといつき
豊かな胸は ビーナス

愛を大事に籠に入れ
頭にのせた ビーナス

鏡の中を通ったら
二度と無邪気な日々には
戻れないと知っているのに 今日も一人一人一人

ラララ

濡れたドレスは重くなり
月の雫のビーナス

愛を大事に籠に入れ
頭にのせた ビーナス

住みなれた家をあとに
時間に追われるように
娘達が渡ってゆく 今日も一人一人一人
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