ほゝえみのむこう側

嫁ぐ日が間近になるほど
あなたはきれいになる
妹よ こっちをむいて
そう あの人に決めたのね

いつの日も私のうしろを
あなたは歩いてきた
ふりむけば木もれ陽の中
ひとりの女がいる

笑っているのよ どんな時にも
哀しい時のほゝえみもいいものよ
朝はさわやかに夜はあでやかに

抱きあってころがって
男と女はらしく生きるの
砂糖菓子は水をふくんで
しずかにとけてゆくから

道ならぬ誰かに恋して
その心乱れても
あどけなく嘘をつくのよ
いつかは忘れるから

いやだと言うのよ できないことは
黙っていると不幸になりやすい
愛がゆれたら話し合うのよ

抱きあって ころがって
はじめて二人は歩きはじめる
涙ぐんでほほえむだけで
すべてがわかる時まで

間違って傷ついて
どんなに時間がかかってもいい
砂糖菓子は水をふくんで
しずかにとけてゆくから
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