夜桜しぐれ

三日限りの みちのくの
旅も最後の 北泊り
弘前 津軽
傘はいらない 夜桜しぐれ
この世で添えぬ 恋ゆえに
花も見せるか 貰い泣き

連れて逃げての ひと言が
なんで言えない 意気地なし
弘前 津軽
弱い女に 夜桜しぐれ
飛礫(つぶて)のように 花びらが
払い除けても 頬を打つ

七日桜と 言うように
きっと今夜が 咲き納め
弘前 津軽
肩に降る降る 夜桜しぐれ
二人の夢が 散り急ぐ
かけらみたいで 辛くなる
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