瀬戸内から…

あなたを追いかけて 縋(すが)ったら
きっとふたりは 傷つくわ
女がひとり 身をひいて
倉敷(くらしき)・掘割(ほりわり) 石畳
日暮れの水面(みずも)に 面影ゆれて
恋しさばかりが こころに募(つの)ります

小雨の尾道(おのみち)は 坂の町
フェリー行(ゆ)き交(か)う 港まち
苦しいだけの 恋だけど
倖せぬくもり 感じてた
あの日の指輪を 波間に捨てて
おんなの迷いを 今日こそ断ちたいの

あなたに愛された あの頃に
戻れないのね もう二度と
錦帯橋(きんたいきょう)の 鵜飼舟(うかいぶね)
残り火みたいな 篝火(かがりび)よ
ひと晩眠って 夜明けが来れば
上りの列車で 明日(あした)へ旅立つの
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