露地しぐれ

「ここから先は 女通れぬ男道。黙って来た道
戻ってくれ。無理は言いっこなしだ。」

借りたままでは 済まない義理の
命かけての 恩返し
叱りつけても 相合傘で
送るお前の 切なさが
雨になったか 露地しぐれ

つらい座敷の 酔いどれ客を
逃げて来たのか 乱(みだ)れ裾(すそ)
何も言わずに 入って行けと
送り届けた 雨の夜の
傘が二人の 縁結び

もしもこのまま 戻れぬときは
次と言う世で 水入らず
差して帰れと 譲った傘を
捨ててお前は 濡れねずみ
ひとり見送る 露地しぐれ
×