砂漠と幻想

ハバナのルーレットで転がしたビックトゥモロー
クリスタルの食卓で、ポーカーフェイスのJOKERをばら蒔いてやった
ミスターオレンジを暴いてやった
狂った果実と、湿った空気と、偽りのストーリーを

切り裂いたのさ。

冒涜を恐れない背徳のアンサンブル奏でて
亡骸になるまで手を取り合い
バランスのとれた曲芸で

世界を手に入れ、人並みを捨て、2つの目を失った。

二手の獣道、砂漠と幻想だけ
そこに芽生えた意思が産声を上げて

見返してやった。

ピンクフラミンゴは見返してやった
歴史を造り替え、記憶を摺り替え、命と引き換えに

白いぬり絵に黒を塗り潰してゆけるのならば
愛を持って生まれた人の哀しいジレンマ
塗り足される過ちと、消えぬ痛みと
守りたいものへの執着
それすらも幻想なのか

もし果てしない砂漠で一人、重く沈む夕日を見送るのなら
弾込めたその銃で、張りつめたその苦しみを討ち倒して

清らかに魂をゼロにしておくれ。

焼け焦げた空の色と君の中にある、切ないコントラスト
それはいつかの選択によく似た、
曖昧な淡い色の幻想だったのかもしれない
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