ひまわり

ひまわりが揺れている
風もなく
何をも奪わずに抱いてくれ

お前を抱きしめた時
ひまわりの匂いがした
丘の上に微笑む
花の匂いがした

やわらかな陽射しの中
その腕に眠る午後は
正義という名の
仮面を脱ぎ捨てた

情けないくらいに
お前が愛しい
飾らないまぶしさで
俺を照らしておくれ

ひまわりが揺れている
風もなく
このまま傍にいてくれないか
ひまわりが揺れている
風もなく
何をも奪わずに抱いてくれ

安売りのやさしさを
あちらこちら散らかして
独り言の様な
ため息を落とす

気持ちは痛いほど
わかってるさ はじめから
だけど言葉が
ほしい夜もあるだろう

せつない程に
お前に会いたい
そのやさしい指先で
俺の目を伏せてくれ

ひまわりが揺れている
清らかに
このまま眠らせてくれないか
ひまわりが揺れている
清らかに
何をも奪わずに抱いてくれ
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