童話作家

私が童話作家になろうと思ったのは
あなたにさよならを言われた日
もとよりあなたの他には 生き甲斐など無いし
さりとてこの世をみつめる勇気もなかったし
今迄二人が過ごしたあらすじを
想い出という 消しゴムで消して
夢でもたべながら ひっそり暮らしてみよう
あなたの横顔を 思い出さずに済む様に

私が童話作家になって思うのは
本当を書くことの難しさ
だって 私自身がとても嘘つきで
涙をかくしては 笑って過ごしてる
原稿用紙に色鉛筆で
幸せの似顔 描いてはみるけど
悲しいくらいに 駄目な私の指先は
気がつけばいつでも あなたの笑顔を書いてる

私が童話作家になろうと思ったのは
あなたにさよならを 言われた日
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