狼青年

履きそこなったままのサンダルで 息も絶え絶えに走る理由は
君に会いに行くから ただ僕は臆病だから
闇夜にならないと君を誘えない

魔法の月明かり「僕が怖くないかい?」君は「なぜ?」と笑う

出来そこなったまま大人になって 家路もない僕は狼青年
毒や牙を持ってみたけれど 何にも成れず 慣れず 馴れず終い
君に会わなければ まだ僕は一人のまま
闇夜を吠え明かし 白昼夢の中

魔法の月明かり「僕が怖くないかい?」君は「なぜ?」と笑う
魔法の月明かり「ねぇ、伝えていいのかい?」君は「うん。」と言う
僕はうんと泣く

履きそこなったままのサンダルで 息も絶え絶えに走る理由は
君に会いに行くから いますぐ会いに行くから
この夜が続くまで 君といたいよ

月明かりよ 永遠に灯れ 月明かりよ…
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