青の季節

あの日 二人きり 隣に腰かけて
みつめた シャガールの 五枚のステンドグラスの青

若葉のしずくが 朝日を浴びてきらめき
ぽとりと身を投げて大地に抱かれ それから
小さなせせらぎが生まれるように あなたを愛し
やがてひとつの流れに育ち
空をも映す 大きな河になり
そんなふうに ゆるやかなまま
時は過ぎると信じた青の季節

海辺の仏舎利塔(パゴダ)は 夕陽を受けて輝き
波間の鴎の向こうに虹が架かって
四月の鯨は私を誘う 遠い季節へ
すべての河は海へと流れ
そしてまた空へ帰り くり返す
海辺で待てば きっとあなたの
水の粒と もう一度出会えそうで
いつか私が海に帰ったら
あなたの隣にそっと腰かけて
またはじめから 愛したい
何度でも 何度でも 何度でも
あなたと
×