sigher

震え出す唇に襲いかかる どうにもならないついてくる色が
どうだ、と聞かれて吐き出せるほどの 白い溜息の季節は過ぎ
愛想の悪い、いつもの顔が 襟をたてながら目を閉じ始めた
薄い灯りに照らし出されてる 奥でざわつく多くの影を
くわえたばかりの火は床に消えて かすめた指でうす目で見ている

申し訳ないが隣をあけろ いつもの場所に居なければ駄目だ
時間は早いし、まだまだあるが 常習の性は捨て切れぬものさ
あの日の思いがぬぐえるのなら 確かな術を認めていたなら
なにも今さらここに来なくても もう二度とは会うことがなくても
時間が合わせていたこの日々に 目覚まし時計は未だに響かず

袖でぬぐうその重さの中に 我を思う気持ちばかり残る
取り戻しに来たいつかの記憶 色が褪せない終わりなきあの日
多くの影に重ね合わせれば いつもの時間に重なって行く
雨は止んだが異常な熱気を 含みはじめた路地にまた出てみる
吐き出される白い煙りそれと 事情通にでも聞いてみるさ、今頃になって
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